基礎知識#成年後見#高齢者#認知症#代理人カード

高齢者の成年後見・代理人制度でクレジットカードを安全に管理する方法2026

公開:2026-05-30更新:2026-05-30

日本では2025年に65歳以上が人口の30%を超え、認知症患者数も増え続けています。親が認知症になったとき「クレジットカードをどうすれば安全に管理できるか」という問題は多くの家庭に関係する現実的な課題です。

本記事では高齢者のクレジットカード管理における成年後見制度・任意後見・代理人カード・家族信託の活用法を解説し、本人・家族それぞれが今できる準備を具体的に案内します。

目次

  1. 1. 高齢者のクレジットカードに潜むリスク
    1. 1-1. 詐欺・フィッシングの被害リスク
    2. 1-2. サブスクや不要サービスの継続使用
    3. 1-3. 判断能力低下による高額購入
  2. 2. 代理人カードの活用:信頼できる家族がサポート
    1. 2-1. 代理人カードとは
    2. 2-2. 代理人カードの設定とメリット
  3. 3. 判断能力が低下した後:成年後見制度の活用
    1. 3-1. 法定後見制度:家庭裁判所が選任する後見人
    2. 3-2. 任意後見制度:元気なうちに後見人を選ぶ
    3. 3-3. 家族信託:柔軟な財産管理の仕組み
  4. 4. 高齢者本人が今できる準備:カードの整理と意思表示
    1. 4-1. 使っていないカードを今すぐ解約する
    2. 4-2. エンディングノートにカード情報を記録する
    3. 4-3. カード利用通知を家族と共有する設定
  5. 5. よくある質問

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高齢者のクレジットカードに潜むリスク

高齢になるにつれて、クレジットカードにまつわるリスクが高まります。どんなリスクがあるかを把握しましょう。

詐欺・フィッシングの被害リスク

「○○カード会社からです。不正利用がありました。すぐに番号を教えてください」という電話詐欺(オレオレ詐欺・サポート詐欺)の被害者は高齢者が圧倒的に多いです。判断能力が低下すると「本物の電話」と「詐欺電話」を見分けにくくなります。

家族がカードの利用通知を共有できる仕組みを早めに作っておくことが最大の予防策です。

サブスクや不要サービスの継続使用

高齢者が不要なサブスクリプションサービスや訪問販売での契約をカードで支払い続けているケースが多くあります。自分で気づかずに毎月数千〜数万円が引き落とされているケースもあります。

定期的な家族によるカード明細確認が最も効果的な対策です。マネーフォワードなどの家計管理アプリで家族と明細を共有する設定ができます。

判断能力低下による高額購入

認知症の初期段階では「衝動的な高額購入」「必要のないものを大量に注文」という行動が現れることがあります。カードの利用通知を家族も受け取れるよう設定することで、早期発見が可能です。

高額購入のキャンセル・クーリングオフの手続きは本人に代わって家族が行えますが、判断能力が著しく低下した後は「法定後見人」のサポートが必要になります。

代理人カードの活用:信頼できる家族がサポート

判断能力はあるが体が不自由・外出が困難な高齢者には「代理人カード」の設定が有効です。

代理人カードとは

代理人カードとは、本会員の同意のもと「本会員の代わりに支払いを行う家族や関係者」に発行されるカードです。家族カードとほぼ同じ仕組みで、代理人の利用分は本会員の口座から引き落とされます。

「介護が必要な親の日用品・医療費・宅配費用を子どもが代わりに支払う」というシーンで非常に役立ちます。本人が直接カードを使わなくても、代理人が適切に管理できます。

代理人カードの設定とメリット

代理人カードはカード会社に「代理人指定・追加カード発行」を申請することで取得できます。本会員の意思確認が必要なため、本人の判断能力があるうちに手続きをすることが重要です。

代理人カードのメリット:親本人はカードを不正使用されるリスクなく生活できる・子どもが介護関連費用を一元管理できる・明細が親と子の両方に届くので支出の透明性が確保される。

判断能力が低下した後:成年後見制度の活用

本人の判断能力が著しく低下(認知症の中〜重度)した場合は、成年後見制度によるサポートが必要になります。

法定後見制度:家庭裁判所が選任する後見人

法定後見制度は「本人の判断能力が不十分になった後」に家庭裁判所に申立てを行い、後見人(弁護士・司法書士・社会福祉士または家族)を選任してもらう制度です。選任された後見人が本人に代わって財産管理・法律行為を行います。

後見人にはクレジットカードの解約・新規申し込みの権限があります。ただし後見人の権限は「本人の財産を守ること」が目的であり、本人にとって不利益な契約を取り消す権限もあります。

任意後見制度:元気なうちに後見人を選ぶ

任意後見制度は「判断能力があるうちに、将来後見人になってほしい人(家族・弁護士等)と契約しておく」制度です。公正証書で契約を締結し、将来判断能力が低下した際に任意後見人が活動を開始します。

「自分で後見人を選べる」という大きなメリットがあります。子ども・信頼できる人物を後見人に指定でき、自分の意思を反映した財産管理が可能です。元気なうちに任意後見契約を結んでおくことは、最高の終活の一つです。

家族信託:柔軟な財産管理の仕組み

家族信託は本人(委託者)が信頼できる家族(受託者)に財産を「信託」し、管理・運用・処分を委ねる方法です。成年後見より柔軟な財産管理ができ、本人の意思を反映させやすいのが特徴です。

家族信託でクレジットカード関連の資産(銀行口座・投資資産)を管理することで、認知症になっても家族が適切に財産を維持できます。ただし家族信託の設定には専門家(弁護士・司法書士・信託銀行)のサポートが必要です。

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高齢者本人が今できる準備:カードの整理と意思表示

高齢者本人が元気なうちにカードの整理と後継者への情報共有を行うことが、将来の家族の負担を大幅に軽減します。

  • 使っていないカードを解約して1〜2枚に絞る
  • エンディングノートにカード情報(会社名・連絡先)を記録
  • 任意後見契約を元気なうちに締結しておく
  • 代理人カードを信頼できる子ども等に発行しておく
  • カードの利用通知を家族と共有できるよう設定
  • 家族に「どのカードがあるか」を伝えておく

使っていないカードを今すぐ解約する

保有するカードを1〜2枚に絞ることで、万が一の際の家族の手続き負担が激減します。使用頻度が低いカード・年会費が高いカード・サービスが重複するカードは整理しましょう。

解約する前に残高をゼロにし、自動引き落としの設定を別カードや口座振替に変更してから解約する順番が正しい手続きです。

エンディングノートにカード情報を記録する

「自分が持っているカードの種類・カード会社名・連絡先」をエンディングノートに記録しておきましょう。カード番号そのものを書く必要はなく、「楽天カード(Visa)・三井住友カードゴールド(Mastercard)」程度の記録で十分です。

年会費・有効期限・付帯保険の内容・自動引き落とし設定の一覧を合わせて記録しておくと、家族が一目で状況を把握できます。

カード利用通知を家族と共有する設定

カード会社のアプリで「利用通知」をオンにし、同じ通知が家族のスマートフォンにも届くよう設定(一部のカード会社で可能)しておくと、異常な利用を家族が早期発見できます。

明細を家族と共有できる家計管理アプリ(マネーフォワードのファミリー機能等)を活用することも有効な方法です。

よくある質問

Q

親が認知症になったらクレジットカードはどうすればいいですか?

A

判断能力があるうちに代理人カードの設定・任意後見契約の締結・使わないカードの解約を進めましょう。判断能力が著しく低下した後は法定後見制度の申立てが必要になります。後見人がカードの解約・管理を行います。

Q

親のカードを子どもが代わりに使えますか?

A

親の同意なく親のカードを使うことは規約違反・不正使用になります。正式には代理人カードを申請して発行してもらうか、成年後見制度を利用することが適切な方法です。

Q

任意後見と法定後見はどちらを選ぶべきですか?

A

元気なうちは「任意後見(自分で後見人を選べる)」が最善です。判断能力が低下した後に手続きする場合は「法定後見(家庭裁判所が後見人を選任)」になります。できるだけ早い段階で任意後見の準備をしておくことをおすすめします。

Q

カードの明細を家族と共有するには?

A

マネーフォワードMEのファミリー共有機能、または一部のカード会社が提供する「家族通知設定」を使うと家族で明細を確認できます。高齢の親の不正使用・詐欺被害の早期発見に役立ちます。

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