ホテルアップグレードの仕組み:なぜ無料で上の部屋に移れるのか
まずホテルアップグレードがどのような仕組みで行われるかを理解しましょう。
アップグレードが発生する主な状況
ホテルがアップグレードを提供するのは主に「予約した部屋タイプが満室または空室率が高い上位部屋がある」「高ステータスの会員に対するサービス」「チェックイン時の交渉・特別な要望への対応」という状況です。
アップグレードは「有り余ったスペースを有効活用する」というホテル側の判断で行われます。スイートルームが空いていて、かつアップグレード可能な会員がいれば、ホテルは積極的にアップグレードを提供します。
ホテル会員プログラムのステータスが最重要
国際ホテルチェーンの会員プログラム(マリオットボンヴォイ・ヒルトンオナーズ・ワールドオブハイアット等)では、宿泊実績に応じてシルバー・ゴールド・プラチナ・チタン(タイトルはブランドにより異なる)などのステータスが付与されます。
高ステータス(プラチナ以上)の会員は「ルームアップグレード」「レイトチェックアウト」「ウェルカムギフト」などの特典が保証またはリクエスト可能です。年間一定の宿泊数を達成してステータスを維持することがアップグレード獲得の王道です。
クレジットカードでホテル会員ステータスを無料取得
ホテルの宿泊実績がなくても、特定のクレジットカードを持つことでホテル会員のゴールド・プラチナステータスを付与してもらえる場合があります。
| カード | 付与ステータス | 主な特典 | 年会費 |
|---|---|---|---|
| マリオット・アメックスプレミアム | ゴールドエリート(宿泊なし) | アップグレード・ポイント10倍還元 | 49,500円 |
| ヒルトンオナーズ・アメックス | ゴールドステータス(宿泊なし) | 朝食無料・アップグレード | 16,500円 |
| ヒルトン・アメックスプレミアム | ダイヤモンドステータス(宿泊なし) | スイートアップグレード優先 | 66,000円 |
| プラチナカード全般 | コンシェルジュ付きホテル優待 | 特別リクエスト対応 | カード別 |
マリオットボンヴォイ・アメックス:プレミアムカードでゴールドステータス
マリオットボンヴォイ・アメリカン・エキスプレスカード(プレミアム)を保有すると、宿泊実績なしでマリオットボンヴォイのゴールドエリートステータスが付与されます(年会費49,500円)。さらにカードで100万円以上利用すると25泊分のナイトクレジットが付与され、プラチナエリート到達が容易になります。
マリオットボンヴォイのゴールドエリートはアップグレード(空室状況に依存)・ウェルカムポイント・レイトチェックアウトリクエスト権などの特典があります。世界8,000以上のマリオット系ホテル(マリオット・シェラトン・ウェスティン等)で使えます。
ヒルトンオナーズ・アメックスカード:ゴールドステータスが付帯
ヒルトンオナーズ・アメリカン・エキスプレスカード(年会費16,500円)を保有するとヒルトンオナーズのゴールドステータスが付与されます。ヒルトンゴールドは世界中のヒルトン系ホテル(ヒルトン・コンラッド・ダブルツリー等)で「朝食無料・ルームアップグレードリクエスト」などの特典が使えます。
ヒルトンオナーズ・アメックスプレミアムカード(年会費66,000円)ではダイヤモンドステータスが付与され、より充実した特典(スイートルームアップグレード優先)が受けられます。
ワールドオブハイアット:ハイアットカード
ハイアットの会員プログラム「ワールドオブハイアット」は日本ではカード特典でステータス付与するサービスが限定的ですが、年間15泊以上(または年間一定額のカード利用)でディスカバリストステータスが達成できます。
ハイアットはポイント制度の使いやすさで評価が高く、プラチナカードのコンシェルジュ経由での「プロパティリクエスト(特定の部屋・フロアのリクエスト)」が通りやすいと言われています。
チェックイン時にアップグレードされやすくなるテクニック
会員ステータスに加えて、チェックイン時の行動がアップグレードの確率を左右します。
チェックイン時のコミュニケーション
チェックイン時にフロントスタッフに「もし空いている部屋があれば、上位の部屋に変えていただけますか?」と笑顔で丁寧に聞くだけでアップグレードされることがあります。これは多くの国で一般的な慣習であり、日本でも通じます。
「今日は結婚記念日(誕生日・ハネムーン等)です」という情報を伝えると、ホテルが特別なサービスを提供してくれる確率が上がります。予約時にメモ欄に記入するか、チェックイン時に伝えましょう。
オフピーク時と平日のアップグレード確率が高い
週末・連休・観光シーズンは客室稼働率が高くアップグレード可能な空き部屋がありません。平日・オフシーズン(1月・2月・6月・11月など)は上位部屋が空いていることが多く、アップグレードの確率が大幅に上がります。
土曜日と日曜日ではなく「金曜日入り・日曜日アウト」という日程にすると、平日価格で金曜の夜のアップグレード可能性があります。
直接予約 vs OTA(楽天・Expedia)予約の違い
ホテルの公式サイト(直接予約)で予約した場合、OTA(サードパーティの旅行サイト)経由より会員ステータス特典が適用されやすいです。多くのホテルチェーンはOTA経由の予約に対してはアップグレードなどの会員特典を適用しない方針をとっています。
「最安値はOTAだが、アップグレードを狙うなら公式サイト直接予約」という使い分けが賢い方法です。公式サイトでもベストレート保証で最安値と同等の価格になるケースがあります。
プラチナカードのホテル優待特典を活用
アメックス・三井住友・JCBなどのプラチナカードには「ホテル優待・プリファードパートナー・プロパティリクエスト」などの特典があります。
アメックス・プラチナの旅行・ホテル特典
アメリカン・エキスプレス・プラチナカードにはFHR(ファイン・ホテル&リゾート)プログラムが付帯します。FHRは世界の一流ホテルでのチェックイン時の部屋のアップグレード(空室時)・午前11時アーリーチェックイン・午後4時レイトチェックアウト・食事クレジット(1室あたり100〜200ドル相当)などが保証されます。
FHR対象ホテルに宿泊する場合、アメックスプラチナ経由で予約することで通常料金でスイートクラスの特典が付きます。年会費の元を旅行特典だけで十分取れるため、旅行好きにとってアメックスプラチナは最強のカードです。
JCBプラチナ・三井住友プラチナのホテル特典
JCBプラチナカードにはJCBプラチナコンシェルジュサービスが付帯し、ホテルの特別リクエスト(部屋タイプ・眺望・特別アメニティ)の手配を代行してもらえます。三井住友プラチナカードもコンシェルジュサービスが充実しており、ホテルとの交渉を代行してもらえます。
コンシェルジュサービスを使って「アニバーサリープランの手配」「特別なサプライズの準備」などを依頼すると、ホテルスタッフからの特別扱いも期待できます。
アップグレード以外のホテル特典を最大活用
スイートルームへのアップグレードだけでなく、ホテル滞在をグレードアップするその他の特典も最大限に活用しましょう。
エグゼクティブラウンジの活用
多くの国際ホテルチェーンにはゴールド以上の会員向けに「エグゼクティブラウンジ(クラブラウンジ)」が用意されています。朝食無料・アフタヌーンティー・ハッピーアワーのドリンク・フードが提供され、専用のコンシェルジュデスクもあります。
エグゼクティブラウンジのサービスを食事代・バー代で計算すると1泊あたり1〜3万円相当の価値があります。ホテルステータスの中で最もコスパが高い特典の一つです。
ホテルポイントを最大化:ステイ×カード×モール
マリオットボンヴォイポイントはANAマイル(3:1レート)・JALマイル(3:1レート)に移行できます。ホテルポイントを貯めながら飛行機の特典航空券を目指す「ホテル×航空会社」の複合戦略も有効です。
マリオット公式アプリからの直接予約でポイント倍率が上がるキャンペーンも定期的に開催されます。宿泊前にアプリをチェックしてポイントアップキャンペーンへのエントリーを忘れずに行いましょう。