デビットカードとクレジットカードの基本的な違い
まず最も重要な仕組みの違いから理解しましょう。
クレジットカードの仕組み
クレジットカードは「後払い」の仕組みです。カードで支払ったその場では銀行口座からお金が引き落とされず、カード会社が一時的に立て替えます。その後、翌月(または翌々月)の引き落とし日に指定口座から一括で引き落とされます。
この「後払い」が成立するためには、カード会社があなたの「信用度(クレジットスコア)」を審査し、「この人はきちんと支払ってくれるだろう」と判断する必要があります。これが審査です。
デビットカードの仕組み
デビットカードは「即時払い」の仕組みです。カードで支払った瞬間、銀行口座から即座に引き落とされます。銀行口座の残高が支払いの上限になるため、残高以上の支払いはできません(一部例外あり)。
デビットカードはVisaやMastercardなどの国際ブランドを付けていれば、クレジットカードと同じように国内外の店舗・ネットショッピングで使えます。
プリペイドカードとの違いも確認
デビットカードと混同されやすいものに「プリペイドカード」があります。プリペイドカードは事前にチャージした金額の範囲内で使う「前払い」方式です。デビットカードは銀行口座残高から即時引き落とされる「即時払い」、クレジットカードは後払いという3つの違いを整理しておきましょう。
審査の違い:デビットカードは審査なし
両者の大きな違いのひとつが審査の有無です。
クレジットカードは信用審査が必要
クレジットカードは後払いのため、カード会社が申込者の信用情報(収入・勤続年数・他社ローン・過去の支払い履歴など)を審査します。審査に落ちることもあり、収入がない学生・無職の方・過去に支払い滞納がある方は審査が厳しくなります。
ただし、多くのカード会社は学生向けカード(親の同意があれば18歳以上で申し込める)や、審査が比較的緩やかな年会費無料カードを提供しています。
デビットカードは審査なしで誰でも持てる
デビットカードは銀行口座の残高から即時引き落とされるため、与信審査は基本的に不要です。銀行口座を持っていれば誰でも使えます。高校生(銀行口座を持てる年齢)でも利用可能なため、クレジットカードを持てない年齢・信用情報に問題がある方でも使えます。
ポイント・還元率の違い
ポイント還元の観点からも両者に差があります。
クレジットカードのポイント還元は充実
クレジットカードは利用金額に応じてポイントや還元が付くカードが多く、0.5%〜2%以上の還元率が一般的です。特定の店舗・サービスでの利用で還元率がアップするカードも多く、上手に使えば年間数万円分のポイントを獲得できます。
また、クレジットカード限定の特典(空港ラウンジ・旅行保険・ショッピング保険など)はデビットカードには基本的に付帯しません。
デビットカードのポイント還元は少ない
デビットカードのポイント還元は、クレジットカードと比べて還元率が低い傾向があります。多くの銀行のデビットカードは還元率0.2〜0.5%程度です。ただし、ソニー銀行のデビットカードは最大2%還元など、高還元のデビットカードも一部存在します。
楽天銀行デビットカードは楽天ポイントが貯まり(還元率0.5〜1.0%)、楽天カードとほぼ同等の還元率を実現しています。
安全性・不正利用リスクの違い
カードの安全性についても両者で差があります。
クレジットカードの不正利用補償
クレジットカードは不正利用が発生した場合、カード会社が補償してくれる仕組みが整っています(多くのカードが60〜90日前まで遡って補償)。不正利用の被害を受けても、本人が負担しなくて済む場合がほとんどです。
クレジットカードは後払いのため、不正利用されても支払い前に申告すれば引き落としを止められます。
デビットカードは即時引き落としのため被害を受けやすい
デビットカードは即時引き落とされるため、不正利用に気づいたときにはすでに口座から出金されています。銀行の補償制度もありますが、クレジットカードと比べて補償範囲が限定的だったり、手続きが複雑なケースがあります。
ただし、VisaやMastercard国際ブランドのデビットカードは、不正利用補償が付いている商品も増えています。申し込み前に補償内容を確認することが重要です。
使いすぎリスクはデビットカードの方が低い
クレジットカードは「後払い」のため、使いすぎに気づいた頃には引き落とし金額が大きくなっているリスクがあります。一方、デビットカードは銀行口座の残高以上は使えないため、使いすぎのリスクがほぼありません。
初めてカードを使う方・お金の管理が苦手な方は、まずデビットカードで感覚をつかんでからクレジットカードへの移行を検討するのも良いアプローチです。
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デビットカードが向いている人・クレジットカードが向いている人
それぞれが向いている人のタイプを整理します。
デビットカードが向いている人
デビットカードは以下のような方に向いています。即時引き落としのため収支が把握しやすく、使いすぎを防げます。
- ●クレジットカードの審査に不安がある方(未成年・無職・自由業など)
- ●使いすぎが心配・家計管理を徹底したい方
- ●口座残高の範囲でのみ使いたい方
- ●高校生(クレジットカードは18歳以上が対象)
- ●海外でキャッシングを使いたくない旅行者
クレジットカードが向いている人
クレジットカードは以下のような方に向いています。ポイント・特典・補償などの面でデビットカードを大きく上回ります。
- ●ポイントをしっかり貯めて生活費を節約したい方
- ●旅行傷害保険・ショッピング保険などの付帯特典を活用したい方
- ●一時的な大きな支払いを後払いにしたい方(分割払い・ボーナス払い)
- ●クレジットヒストリーを積み上げてローン・住宅購入に備えたい方
- ●空港ラウンジ・コンシェルジュなどのプレミアムサービスを使いたい方
デビットとクレジット、両方持つのが理想
実はデビットカードとクレジットカードは「どちらか一方」ではなく、「両方持つ」のが最も賢い使い方です。
クレジットカードをメインに使い、デビットを予備に
クレジットカードをメインカードとして使い、ポイントを積極的に貯めます。万が一クレジットカードが使えない場面(クレジット払い非対応の一部店舗・緊急時)や、現金代わりに即時引き落としで使いたい場合にデビットカードを活用します。
銀行口座と紐づいたデビットカードは、ATMを使わずに口座から直接支払いができるため、現金を持ち歩かなくて済むメリットもあります。
子どものおこづかい・仕送りにはデビットが便利
子どもへのおこづかいや大学生への仕送りをデビットカードで管理する方法も増えています。使いすぎを防ぎながら、キャッシュレスで管理できます。親が口座に入金し、子どもがデビットカードで使うという流れです。
まとめ:基本はクレジットカード、状況に応じてデビットを活用
お金の管理に問題がなく、ポイントを効率よく貯めたい方にはクレジットカードがベストな選択です。年会費無料・高還元率のカードはたくさんあり、コスト0円で恩恵を受けられます。
使いすぎが心配・審査が不安・未成年の方はまずデビットカードから始めるのが安全です。社会人になり収入が安定したらクレジットカードを申し込み、クレジットヒストリーを積み上げることが将来のローン・住宅購入にも有利に働きます。